大腸腺腫に日本住血吸虫症を認めた1例

「はじめに」 日本住血吸虫はミヤイリ貝の撲滅とともに激減し, 近年では新たな感染は認められていない1). しかし日本住血吸虫症(以下, 日虫症)はある一定の年齢以上でいまだみられることがある. 今回, 大腸腺腫の粘膜下層に日本住血吸虫の虫卵を認めた1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」 患者:81歳, 男性. 主訴:便鮮血陽性. 現病歴:75歳より慢性腎不全で血液透析のため前医に通院中だった. 2009年7月に施行された大腸内視鏡検査で, 横行結腸に20mm大の扁平な腫瘍を認め, 生検はGroup 3であり, 経過観察となった. 2010年3月の大腸内視鏡検査でも同病変に...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 83; no. 1; pp. 158 - 159
Main Authors 野中, 英臣, 原, 貴恵子, 牧野, 有里香, 河合, 雅也, 冨木, 裕一, 青木, 順, 高橋, 里奈, 小島, 豊, 嵩原, 一裕, 五藤, 倫敏, 八尾, 隆史, 柳沼, 行宏, 高橋, 玄, 坂本, 一博, 岡澤, 裕, 水越, 幸輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 14.12.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.83.1_158

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Summary:「はじめに」 日本住血吸虫はミヤイリ貝の撲滅とともに激減し, 近年では新たな感染は認められていない1). しかし日本住血吸虫症(以下, 日虫症)はある一定の年齢以上でいまだみられることがある. 今回, 大腸腺腫の粘膜下層に日本住血吸虫の虫卵を認めた1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」 患者:81歳, 男性. 主訴:便鮮血陽性. 現病歴:75歳より慢性腎不全で血液透析のため前医に通院中だった. 2009年7月に施行された大腸内視鏡検査で, 横行結腸に20mm大の扁平な腫瘍を認め, 生検はGroup 3であり, 経過観察となった. 2010年3月の大腸内視鏡検査でも同病変に対し生検が行われ, Group 3であった. さらに2011年8月の検査でも同病変を指摘された. 経過観察中, 病変の増大はみられなかったが, 内視鏡治療目的で当院を紹介された. 居住歴:幼少時は大阪に居住していたが, その後は関東利根川流域に居住していた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.83.1_158