7歳男児に生じた猫ひっかき病の1例
「緒言」猫ひっかき病(Cat Scratch Disease:CSD)は, 主として猫との接触により生じる人獣共通感染症の1つである1,2). ひっかき傷や咬傷を感染源とし, 近位の所属リンパ節腫脹や発熱などを引き起こす. 近年, グラム陰性桿菌のBartonella henselae(B. henselae)が原因菌として特定され3), 確定診断として血清抗体価測定が有用であるとされている4). 今回われわれは頬部ならびに顎下部のリンパ節腫脹を生じ, 間接蛍光抗体法(Immunological Fluorescence Antibody test:IFA法)により, B. henselae抗...
Saved in:
Published in | 小児口腔外科 Vol. 20; no. 1; pp. 54 - 57 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本小児口腔外科学会
2010
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-5261 1884-6661 |
DOI | 10.11265/poms.20.54 |
Cover
Summary: | 「緒言」猫ひっかき病(Cat Scratch Disease:CSD)は, 主として猫との接触により生じる人獣共通感染症の1つである1,2). ひっかき傷や咬傷を感染源とし, 近位の所属リンパ節腫脹や発熱などを引き起こす. 近年, グラム陰性桿菌のBartonella henselae(B. henselae)が原因菌として特定され3), 確定診断として血清抗体価測定が有用であるとされている4). 今回われわれは頬部ならびに顎下部のリンパ節腫脹を生じ, 間接蛍光抗体法(Immunological Fluorescence Antibody test:IFA法)により, B. henselae抗体価の上昇を認めた本疾患の1例を経験したのでその概要を報告する. 「症例」患者:7歳, 男児. 初診:平成21年7月. 既往歴・家族歴:特記すべき事項なし. 現病歴:初診の数日前より右側頬部に疼痛を覚えていた. その後, 腫脹を生じ, 発熱をきたしたため, 当科を受診した. 現症:体温は37.1℃であった. 右側頬部に示指頭大, 弾性軟で可動性を有する腫瘤を触知し, 軽度の圧痛を訴えた(写真1). |
---|---|
ISSN: | 0917-5261 1884-6661 |
DOI: | 10.11265/poms.20.54 |