妊娠30週目に急性A型大動脈解離を発症した不全型Marfan症候群の1例

要　　旨：症例は30歳，女性，妊娠30週．歩行中に突然の呼吸困難，胸痛が出現した．当院救命センターに緊急入院し，急性大動脈解離と診断された．母親がMarfan症候群の診断を受け，大動脈解離で死亡しており遺伝的素因から本症例もMarfan症候群が疑われた．入院時に心不全を伴う大動脈弁閉鎖不全があり，可及的早期の心大血管修復が必要と考えられた．しかし，人工心肺時のへパリン投与による子宮・胎盤剝離面からの大量出血の危険性を考慮して，緊急で帝王切開・子宮全摘術を施行した．翌日に，上行大動脈人工血管置換術を2期的に施行した．母子ともに術後経過は良好であった．...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 21 - 24
Main Authors 梅北, 信孝, 石川, 進, 黒木, 識敬, 林, 瑞成, 片山, 康, 三島, 秀樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 25.02.2013
日本血管外科学会
Subjects
Marfan症候群
妊娠
急性大動脈解離
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.22.21

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Summary:要　　旨：症例は30歳，女性，妊娠30週．歩行中に突然の呼吸困難，胸痛が出現した．当院救命センターに緊急入院し，急性大動脈解離と診断された．母親がMarfan症候群の診断を受け，大動脈解離で死亡しており遺伝的素因から本症例もMarfan症候群が疑われた．入院時に心不全を伴う大動脈弁閉鎖不全があり，可及的早期の心大血管修復が必要と考えられた．しかし，人工心肺時のへパリン投与による子宮・胎盤剝離面からの大量出血の危険性を考慮して，緊急で帝王切開・子宮全摘術を施行した．翌日に，上行大動脈人工血管置換術を2期的に施行した．母子ともに術後経過は良好であった．
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.22.21