アメーバ性大腸炎を伴った直腸癌の1例

「はじめに」 アメーバ性大腸炎は比較的稀な疾患であるが, 近年は性生活の多様化等により増加傾向である. 赤痢アメーバの栄養体が粘膜に侵入し障害を来すことにより症状が現れ, 稀に重症化し穿孔することもある. 今回アメーバ性大腸炎を合併した進行直腸癌の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 55歳, 男性. 主訴 : 粘血便, 便秘. 生活歴 : 1年以内の中国と韓国への渡航歴あり. 男性間性交渉なし. 既往歴 : 糖尿病. 現病歴 : 来院1カ月程前からの便秘, 少量の粘血便を主訴に近医受診. 下部消化管内視鏡検査にて直腸に2型腫瘍を認め, 生検にて中分化管状腺癌を指摘され, 直腸癌の...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 85; no. 1; pp. 120 - 121
Main Authors 赤間, 悠一, 進士, 誠一, 菅, 隼人, 山田, 岳史, 小泉, 岐博, 高田, 英志, 杉田, 久記, 金沢, 義一, 内田, 英二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 06.12.2014
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」 アメーバ性大腸炎は比較的稀な疾患であるが, 近年は性生活の多様化等により増加傾向である. 赤痢アメーバの栄養体が粘膜に侵入し障害を来すことにより症状が現れ, 稀に重症化し穿孔することもある. 今回アメーバ性大腸炎を合併した進行直腸癌の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 55歳, 男性. 主訴 : 粘血便, 便秘. 生活歴 : 1年以内の中国と韓国への渡航歴あり. 男性間性交渉なし. 既往歴 : 糖尿病. 現病歴 : 来院1カ月程前からの便秘, 少量の粘血便を主訴に近医受診. 下部消化管内視鏡検査にて直腸に2型腫瘍を認め, 生検にて中分化管状腺癌を指摘され, 直腸癌の診断で当科紹介受診となった. 来院時現症 : 身長175cm, 体重76.5kg. 眼瞼結膜に貧血なく, 表在リンパ節は触知しなかった. 来院時検査所見 : HbA1cは6.0%, 感染症検査ではB型肝炎, C型肝炎, HIV, 梅毒検査がともに陰性であった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.85.1_120