直腸粘膜脱症候群に対して内視鏡的摘除が有効であった1例
「はじめに」 直腸粘膜脱症候群(以下, MPS)治療の第一選択は, 排便習慣改善などの保存的治療であるが, 治療抵抗性の場合には, MPS自体の摘除も選択肢の1つである. しかし現在までにMPSにおける内視鏡治療の有効性についての報告はほとんどない. 今回, 保存的治療に抵抗性であった隆起型MPSに対して内視鏡的粘膜切除術(以下, EMR)を施行し奏効した症例を経験したため, 報告する. 「症例」 患者 : 16歳, 男性. 主訴 : 血便, 肛門部違和感. 併存疾患 : Williams症候群(遺伝子異常を伴う, 特徴的な顔貌, 心血管奇形, 発達遅滞が見られる症候群). 家族歴 : 特記事...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 86; no. 1; pp. 184 - 185 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
13.06.2015
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.86.1_184 |
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Summary: | 「はじめに」 直腸粘膜脱症候群(以下, MPS)治療の第一選択は, 排便習慣改善などの保存的治療であるが, 治療抵抗性の場合には, MPS自体の摘除も選択肢の1つである. しかし現在までにMPSにおける内視鏡治療の有効性についての報告はほとんどない. 今回, 保存的治療に抵抗性であった隆起型MPSに対して内視鏡的粘膜切除術(以下, EMR)を施行し奏効した症例を経験したため, 報告する. 「症例」 患者 : 16歳, 男性. 主訴 : 血便, 肛門部違和感. 併存疾患 : Williams症候群(遺伝子異常を伴う, 特徴的な顔貌, 心血管奇形, 発達遅滞が見られる症候群). 家族歴 : 特記事項なし. 現病歴 : 身長155cm, 体重55kg. 元々強いいきみを伴う排便習慣がある. 数カ月続く血便と肛門部違和感を主訴に前医を受診した. 大腸内視鏡検査において下部直腸に隆起性病変がみられ, 腺腫の疑いで内視鏡治療目的に当院へ紹介となった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.86.1_184 |