十二指腸憩室出血を先端フード装着直視内視鏡で止血し得た1例

「はじめに」内視鏡的止血術は格段の進歩をとげているが, 十二指腸憩室出血に対する止血は, 直視鏡で出血源を正面視することが難しく, 止血に難渋するケースが多く存在する. 今回, 我々は出血源特定に難渋した十二指腸憩室出血に対し, 後方斜視鏡, 先端フードを効果的に用いることで内視鏡的止血術に成功した1例を経験したので報告する. 「症例」「患者」: 68歳, 男性. 「主訴」: 下血. 「既往歴」: 64歳時と67歳時に十二指腸出血のため当科入院歴あり. 内視鏡で観察するも, 大量出血のため視野確保困難であった. 血管造影を施行し, 64歳時は胃十二指腸動脈領域, 67歳時は前上膵十二指腸動脈領...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 88; no. 1; pp. 112 - 113
Main Authors 小川, 正純, 小野寺, 翔, 佐藤, 譲, 草柳, 聡, 中崎, 奈都子, 嘉戸, 慎一, 金子, 麗奈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 11.06.2016
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.88.1_112

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Summary:「はじめに」内視鏡的止血術は格段の進歩をとげているが, 十二指腸憩室出血に対する止血は, 直視鏡で出血源を正面視することが難しく, 止血に難渋するケースが多く存在する. 今回, 我々は出血源特定に難渋した十二指腸憩室出血に対し, 後方斜視鏡, 先端フードを効果的に用いることで内視鏡的止血術に成功した1例を経験したので報告する. 「症例」「患者」: 68歳, 男性. 「主訴」: 下血. 「既往歴」: 64歳時と67歳時に十二指腸出血のため当科入院歴あり. 内視鏡で観察するも, 大量出血のため視野確保困難であった. 血管造影を施行し, 64歳時は胃十二指腸動脈領域, 67歳時は前上膵十二指腸動脈領域の分枝に血管外漏出を認め, それぞれ血管塞栓術を施行した. 「家族歴, アレルギー歴, 嗜好歴」: 特記事項なし. 「現病歴」: 前日から冷汗, ふらつきを自覚していた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.88.1_112