NSAIDs起因と考えられた胃・大腸潰瘍の1例

「はじめに」 近年, 高齢化に伴い, 腰痛などの慢性疼痛を訴える患者が増加し, 非ステロイド系消炎鎮痛薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)の服用者が多くなった1). NSAIDsの副作用として, 胃潰瘍などの上部消化管障害が知られているが, プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)の投与などの治療法が確立されている. ただ, 大腸鏡や小腸カプセル内視鏡などにより, NSAIDs起因性と考えられるびらんや潰瘍などが小腸や大腸にも認められることがわかってきた. 今回我々は, NSAIDs起因と考えられた胃,...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 83; no. 1; pp. 116 - 117
Main Authors 芦谷, 啓吾, 大庫, 秀樹, 山岡, 稔, 筋野, 智久, 米野, 和明, 菅野, 龍, 野口, 哲, 小林, 威仁, 有馬, 博, 木下, 俊介, 飯田, 慎一郎, 井上, 清彰, 岡田, 浩一, 山本, 啓二, 中元, 秀友, 今枝, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 14.12.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」 近年, 高齢化に伴い, 腰痛などの慢性疼痛を訴える患者が増加し, 非ステロイド系消炎鎮痛薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)の服用者が多くなった1). NSAIDsの副作用として, 胃潰瘍などの上部消化管障害が知られているが, プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)の投与などの治療法が確立されている. ただ, 大腸鏡や小腸カプセル内視鏡などにより, NSAIDs起因性と考えられるびらんや潰瘍などが小腸や大腸にも認められることがわかってきた. 今回我々は, NSAIDs起因と考えられた胃, 大腸潰瘍の1例を経験した. 胃・大腸に同時に発症した例は稀であったので報告する. 「症例」 患者:76歳, 男性. 主訴:体重減少, 貧血. 既往歴・家族歴:特記要項なし. 嗜好歴:喫煙20本/日×45年間, 機会飲酒. 現病歴:68歳時, 手指の疼痛を主訴に近医受診し, 関節リウマチの診断でアクタリット200mg/day, ジクロフェナクナトリウム50mg/day, メチルプレドニゾロン2mg/dayを開始された.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.83.1_116