急性膵炎を反復したVater乳頭腺腫の1例
「はじめに」今回我々は, 急性膵炎を反復した十二指腸乳頭部腺腫の1切除例を報告する. 「症例」患者:81歳, 女性. 主訴:腹痛, 背部痛 既往歴・家族歴:特記事項なし. 現病歴:2回の急性膵炎での入院歴(平成11年と12年)があり, この際の上部消化管内視鏡検査で十二指腸腫瘍を確認されていた. 保存的治療で膵炎は速やかに改善したが, 十二指腸腫瘍は未治療のまま放置された. 平成13年10月再度急性膵炎を生じ入院となった. 入院時現症:上腹部に自発痛を認めた他は異常なし. 入院時検査成績:血液生化学検査では, 血液及び尿中アミラーゼ値の上昇, 肝胆道系酵素の上昇, 軽度の炎症反応の亢進及び貧血...
Saved in:
Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 63; no. 2; pp. 110 - 111 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2003
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.63.2_110 |
Cover
Summary: | 「はじめに」今回我々は, 急性膵炎を反復した十二指腸乳頭部腺腫の1切除例を報告する. 「症例」患者:81歳, 女性. 主訴:腹痛, 背部痛 既往歴・家族歴:特記事項なし. 現病歴:2回の急性膵炎での入院歴(平成11年と12年)があり, この際の上部消化管内視鏡検査で十二指腸腫瘍を確認されていた. 保存的治療で膵炎は速やかに改善したが, 十二指腸腫瘍は未治療のまま放置された. 平成13年10月再度急性膵炎を生じ入院となった. 入院時現症:上腹部に自発痛を認めた他は異常なし. 入院時検査成績:血液生化学検査では, 血液及び尿中アミラーゼ値の上昇, 肝胆道系酵素の上昇, 軽度の炎症反応の亢進及び貧血を認めた(Table 1). 腹部CT所見:Grade31)の急性膵炎像と, 全周性に壁肥厚した十二指腸内腔に, 造影効果を伴う約2cm大の腫瘤影を認めた. また, 肝内胆管の拡張と, 5mm径の主膵管の拡張を認めた. 十二指腸内視鏡所見:十二指腸下行脚に, やや可動性のある2cm大の亜有茎性カリフラワー状腫瘤を認めた. 表面に潰瘍形成はなく, 腫瘤と十二指腸乳頭との関係は不明であった. 過去の所見に比して明らかな増大傾向を認めた(Color 1). 生検結果は管状腺腫であった. |
---|---|
ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.63.2_110 |