食道破裂術後の食道縦隔瘻に対し内視鏡下瘻孔閉鎖術が奏功した1例

「はじめに」術後の難治性食道瘻に対してさまざまな内視鏡治療が試みられているが, 一定のコンセンサスは得られていない. 今回我々は, ポリグリコール酸(以下PGA)シートとフィブリン糊とクリップ縫縮術を組み合わせて内視鏡下瘻孔閉鎖術を施行し, 奏功した1例を経験したので報告する. 「症例」患者: 66歳, 男性. 主訴: 上腹部痛. 現病歴: 20XX年6月, 日中に飲酒し嘔吐. その後上腹部痛が出現した. 近医で特発性食道破裂と診断され当院外科へ転院搬送された. 検査所見: 血液検査ではWBC 21,600/μL, CRP 1.6mg/dLと炎症反応の上昇を認め, 食道造影で下部食道左壁より造...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 91; no. 1; pp. 124 - 125
Main Authors 堀内, 知晃, 溝口, 明範, 飯田, 怜一, 千谷, 菜花, 吉留, 佑太, 伊東, 傑, 西井, 慎, 寺田, 尚人, 古橋, 廣崇, 高城, 健, 丸田, 紘史, 穂苅, 量太, 原田, 学, 辻本, 広紀, 高本, 俊介, 永尾, 重昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 08.12.2017
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」術後の難治性食道瘻に対してさまざまな内視鏡治療が試みられているが, 一定のコンセンサスは得られていない. 今回我々は, ポリグリコール酸(以下PGA)シートとフィブリン糊とクリップ縫縮術を組み合わせて内視鏡下瘻孔閉鎖術を施行し, 奏功した1例を経験したので報告する. 「症例」患者: 66歳, 男性. 主訴: 上腹部痛. 現病歴: 20XX年6月, 日中に飲酒し嘔吐. その後上腹部痛が出現した. 近医で特発性食道破裂と診断され当院外科へ転院搬送された. 検査所見: 血液検査ではWBC 21,600/μL, CRP 1.6mg/dLと炎症反応の上昇を認め, 食道造影で下部食道左壁より造影剤の漏出を認めた. CTでは縦隔内遊離ガスを認め, 縦隔気腫, 縦隔炎は広範に拡がり, 左胸腔内に穿破していた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.91.1_124