腸石嵌頓性十二指腸憩室炎に対し内視鏡的腸石除去術にて治療し得た1例

「はじめに」十二指腸憩室炎は比較的稀な疾患であり, 診断に苦慮することが多い. 今回我々は早期診断と内視鏡的腸石除去術により治療し得た1例を経験したので報告する. 「症例」「患者」: 67歳, 男性. 「主訴」: 心窩部痛. 「既往歴」: 特記事項なし. 「現病歴」: 心窩部痛を自覚し, 近医にて内服加療されるも症状改善しないため, 当科紹介受診となった. 「入院時現症」: 体温36.3℃, 血圧120/60mmHg, 脈拍78回/分, 整. 腹部平坦, 軟, 心窩部に軽度圧痛あり. 腹膜刺激症状認めず. 腸雑音減弱. 「入院時検査所見」: 白血球数12,500/μl, CRP 15.4mg/...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 88; no. 1; pp. 108 - 109
Main Authors 勝呂, 麻弥, 山本, 圭, 深澤, 友里, 田邊, 秀聡, 班目, 明, 竹内, 眞美, 田部井, 弘一, 森安, 史典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 11.06.2016
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」十二指腸憩室炎は比較的稀な疾患であり, 診断に苦慮することが多い. 今回我々は早期診断と内視鏡的腸石除去術により治療し得た1例を経験したので報告する. 「症例」「患者」: 67歳, 男性. 「主訴」: 心窩部痛. 「既往歴」: 特記事項なし. 「現病歴」: 心窩部痛を自覚し, 近医にて内服加療されるも症状改善しないため, 当科紹介受診となった. 「入院時現症」: 体温36.3℃, 血圧120/60mmHg, 脈拍78回/分, 整. 腹部平坦, 軟, 心窩部に軽度圧痛あり. 腹膜刺激症状認めず. 腸雑音減弱. 「入院時検査所見」: 白血球数12,500/μl, CRP 15.4mg/dlと炎症反応の上昇を認めた. 「腹部レントゲン検査所見」: 立位では上腹部を中心とした十二指腸水平部のガス貯留を認め, 臥位では同ガス内に一部石灰化像を認めた. 「腹部造影CT検査所見」: 十二指腸水平部に憩室所見と同部に高吸収域を認め, 石灰化を伴う腸石と考えられた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.88.1_108