緊急で開頭血腫除去術および外減圧術を施行し,良好な転機を辿った胆道閉鎖症に伴う硬膜下血腫の1症例

乳幼児の頭蓋内出血の多くは外因性素因によるものであるが,まれに内因性素因を背景に生じる.症例は日齢51の男児,嘔吐および活動性低下を主訴に来院し硬膜下血腫を認め開頭血腫除去術,外減圧術を施行した.精査により胆道閉鎖症による凝固異常のために出血を生じたことが明らかになり,葛西手術を施行し良好な経過を辿った.内因性素因を背景にする頭蓋内出血症例においては原疾患を含めて加療しなければ予後不良となることが多く,多角的視野をもち診療を行うとともに重篤な病態を予防するために検診での詳細な診察も必要である....

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Published in小児の脳神経 Vol. 47; no. 1; pp. 72 - 75
Main Authors 長嶺, 知明, 後藤, 克宏, 根路銘, 千尋, 竹下, 朝規
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児神経外科学会 2022
日本小児神経外科学会
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ISSN0387-8023
2435-824X
DOI10.34544/jspn.47.1_72

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Summary:乳幼児の頭蓋内出血の多くは外因性素因によるものであるが,まれに内因性素因を背景に生じる.症例は日齢51の男児,嘔吐および活動性低下を主訴に来院し硬膜下血腫を認め開頭血腫除去術,外減圧術を施行した.精査により胆道閉鎖症による凝固異常のために出血を生じたことが明らかになり,葛西手術を施行し良好な経過を辿った.内因性素因を背景にする頭蓋内出血症例においては原疾患を含めて加療しなければ予後不良となることが多く,多角的視野をもち診療を行うとともに重篤な病態を予防するために検診での詳細な診察も必要である.
ISSN:0387-8023
2435-824X
DOI:10.34544/jspn.47.1_72