バルーン内視鏡が診断に有用であった小児の空腸異所性膵の1例

「はじめに」 成人の小腸疾患に対する検査では, バルーン内視鏡がgolden standardであり, 観察や生検のみならず, 粘膜切除術や拡張術を含めた治療まで可能であるが, 小児の小腸疾患に対するバルーン内視鏡使用の報告は少ない. 今回我々は, 小児の空腸異所性膵に対してバルーン内視鏡検査が有用であった症例を経験したので報告する. 「症例」 患者:8歳, 男児. 主訴:上腹部痛. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:繰り返す上腹部痛のため近医より当院小児外科へ紹介された. 一般血液検査や腹部CT検査では, 異常を認めなかったが, 小腸造影検査で, 上部空腸に約20mmの隆起性病...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 82; no. 1; pp. 164 - 165
Main Authors 清野, 隆史, 今枝, 博之, 林, 雄一郎, 園部, 秀樹, 細江, 直樹, 柏木, 和弘, 渕本, 康史, 星野, 健, 緒方, 晴彦, 下島, 直樹, 黒田, 達夫, 長沼, 誠, 井上, 詠, 日比, 紀文, 向井, 万起男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 14.06.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.82.1_164

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Summary:「はじめに」 成人の小腸疾患に対する検査では, バルーン内視鏡がgolden standardであり, 観察や生検のみならず, 粘膜切除術や拡張術を含めた治療まで可能であるが, 小児の小腸疾患に対するバルーン内視鏡使用の報告は少ない. 今回我々は, 小児の空腸異所性膵に対してバルーン内視鏡検査が有用であった症例を経験したので報告する. 「症例」 患者:8歳, 男児. 主訴:上腹部痛. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:繰り返す上腹部痛のため近医より当院小児外科へ紹介された. 一般血液検査や腹部CT検査では, 異常を認めなかったが, 小腸造影検査で, 上部空腸に約20mmの隆起性病変を認め, シングルバルーン内視鏡検査目的に入院となった. 入院時現症:異常所見なし. 血液生化学検査:ALP(1,139U/l)の上昇以外, 異常を認めなかった. 小腸造影検査:空腸に20mm大の境界明瞭な陰影欠損像を認めた(Fig.1, 2). 経口的シングルバルーン内視鏡所見:空腸に立ち上がりがなだらかで表面平滑な隆起性病変を認め, 弾性硬であった(Fig.3).
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.82.1_164