胸腔鏡下手術にて治療した鈍的外傷による大量血胸の3例

【要旨】鈍的外傷による大量血胸に対し胸腔鏡下に止血した3例を報告する. 症例1は85歳男性. 転倒し右胸部を打撲. 右血胸あり, 胸腔ドレーンからは挿入時1,000ml, その後1時間で300mlの出血を認め, 胸腔鏡下に右肋間動脈からの出血を凝固止血した. 症例2は68歳男性, バイク事故. 右血気胸, 左気胸, 胸椎破裂骨折あり. 胸腔ドレーンからは挿入時400ml, その後200ml/hrの出血を認め, 胸腔鏡下に肺部分切除を行い止血した. 症例3は83歳女性, 転倒で受傷. 右血胸あり, 胸腔ドレーンから挿入時900mlの出血を認め, 胸腔鏡下に胸壁からの静脈性の出血を止血した. 血行...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 16; no. 1; pp. 30 - 34
Main Authors 河内順, 池谷佑樹, 磯貝尚子, 下山ライ, 荻野秀光, 渡部和巨, 篠崎伸明, 前川貢一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床救急医学会 28.02.2013
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【要旨】鈍的外傷による大量血胸に対し胸腔鏡下に止血した3例を報告する. 症例1は85歳男性. 転倒し右胸部を打撲. 右血胸あり, 胸腔ドレーンからは挿入時1,000ml, その後1時間で300mlの出血を認め, 胸腔鏡下に右肋間動脈からの出血を凝固止血した. 症例2は68歳男性, バイク事故. 右血気胸, 左気胸, 胸椎破裂骨折あり. 胸腔ドレーンからは挿入時400ml, その後200ml/hrの出血を認め, 胸腔鏡下に肺部分切除を行い止血した. 症例3は83歳女性, 転倒で受傷. 右血胸あり, 胸腔ドレーンから挿入時900mlの出血を認め, 胸腔鏡下に胸壁からの静脈性の出血を止血した. 血行動態が安定している鈍的外傷による大量血胸に対して胸腔鏡下手術は有用である. 「はじめに」胸部外傷は胸腔内に心, 肺, 大血管を含むその構造から, 重要な外傷である. そのなかで外傷性血胸の場合, 治療法としてまず胸腔ドレーンを挿入し, 挿入時またその後の出血量を観察し, 基準を満たせば開胸手術とするのが一般的である.
ISSN:1345-0581
DOI:10.11240/jsem.16.30