出血性脳動静脈奇形の複合治療 ─地方の基幹施設の実情を踏まえて

出血性脳動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)はSpetzler & Martin gradeが高いものも治療の対象となる.high-gradeのAVMの治療戦略として直達手術と血管内治療の併用は有効であるが,2つの治療のトータルのリスクが最小となるように治療を組み立てる必要がある.直達手術の支援として血管内手技を行う場合,血管内手技での安全性を担保しながら,根治治療としての直達手術を最大限に支援する戦略,すなわちnidus内の塞栓物質の注入にはこだわらないこと,合併動脈瘤や深部からの流入動脈には積極的に塞栓術を行うこと,術中脳血管撮影を駆使してni...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 52; no. 4; pp. 279 - 287
Main Authors 福井, 直樹, 細川, 雄慎, 福田, 仁, 上羽, 哲也, 濱田, 史泰, 木田, 波斗, 野中, 大伸, 中居, 永一, 竹村, 光広, 川西, 裕, 上羽, 佑亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2024
日本脳卒中の外科学会
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Summary:出血性脳動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)はSpetzler & Martin gradeが高いものも治療の対象となる.high-gradeのAVMの治療戦略として直達手術と血管内治療の併用は有効であるが,2つの治療のトータルのリスクが最小となるように治療を組み立てる必要がある.直達手術の支援として血管内手技を行う場合,血管内手技での安全性を担保しながら,根治治療としての直達手術を最大限に支援する戦略,すなわちnidus内の塞栓物質の注入にはこだわらないこと,合併動脈瘤や深部からの流入動脈には積極的に塞栓術を行うこと,術中脳血管撮影を駆使してnidus内血流と摘出後の残存nidusを的確に評価することが重要である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.52.279