尾状葉の肝細胞癌に対しEUS-FNAで診断し得た1例
「はじめに」 肝腫瘍における病理組織学的診断には, 主に経皮的針生検が行われている. 経皮的針生検は断片化の少ない良好な検体が採取でき, 高い診断率を得られる一方, 大量出血を0.16~0.32%に認め, 死亡率も0.01~0.12%とされている. 超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)は, 経消化管的に観察できる腫瘍性病変に対して積極的に実施されており, 腫瘍やリンパ節などの病理組織学的確定診断に極めて有用である. 一般的に膵腫瘤性病変や縦隔・腹腔内リンパ節において施行されているが, 肝腫瘍に対する報告はほとんどない. 今回我々は, 位置的には困難とされる肝尾状葉腫瘍に対しEUS-F...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 86; no. 1; pp. 220 - 221 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
13.06.2015
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.86.1_220 |
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Summary: | 「はじめに」 肝腫瘍における病理組織学的診断には, 主に経皮的針生検が行われている. 経皮的針生検は断片化の少ない良好な検体が採取でき, 高い診断率を得られる一方, 大量出血を0.16~0.32%に認め, 死亡率も0.01~0.12%とされている. 超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)は, 経消化管的に観察できる腫瘍性病変に対して積極的に実施されており, 腫瘍やリンパ節などの病理組織学的確定診断に極めて有用である. 一般的に膵腫瘤性病変や縦隔・腹腔内リンパ節において施行されているが, 肝腫瘍に対する報告はほとんどない. 今回我々は, 位置的には困難とされる肝尾状葉腫瘍に対しEUS-FNAが診断に有用であった症例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 75歳, 男性. 既往歴 : 2型糖尿病, 副腎腫瘍, 膀胱癌. 家族歴 : 特記事項なし. 現病歴 : 2型糖尿病で糖尿病内科にて加療中であった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.86.1_220 |