腺管構造の混在した食道類基底扁平上皮癌の1例
「はじめに」 食道の類基底扁平上皮癌(basaloid squamous carcinoma:以下, BSC)は食道癌取扱い規約(第10版)では上皮性悪性腫瘍として分類され, また, その組織像は様々な形態を取ることが報告されている1). 今回, 我々は明らかな腺管構造を混在した食道のBSCの1切除例を経験したので報告する. 「症例」 患者:81歳, 男性. 主訴:特になし. 既往歴:高血圧, 緑内障, 上腕動脈血栓症. 喫煙歴:20本/日, 20年間. 飲酒歴:日本酒200ml×4日/週. 現病歴:近医で定期的に施行していた上部消化管内視鏡検査にて胸部下部食道に粘膜不整を認めた. 生検組織検...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 82; no. 1; pp. 104 - 105 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
14.06.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.82.1_104 |
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Summary: | 「はじめに」 食道の類基底扁平上皮癌(basaloid squamous carcinoma:以下, BSC)は食道癌取扱い規約(第10版)では上皮性悪性腫瘍として分類され, また, その組織像は様々な形態を取ることが報告されている1). 今回, 我々は明らかな腺管構造を混在した食道のBSCの1切除例を経験したので報告する. 「症例」 患者:81歳, 男性. 主訴:特になし. 既往歴:高血圧, 緑内障, 上腕動脈血栓症. 喫煙歴:20本/日, 20年間. 飲酒歴:日本酒200ml×4日/週. 現病歴:近医で定期的に施行していた上部消化管内視鏡検査にて胸部下部食道に粘膜不整を認めた. 生検組織検査にて扁平上皮の一部に異型を認め, 食道癌が疑われたため, 精査加療目的に当院外科紹介受診となった. 入院時現症:貧血や黄疸はなく, 胸部, 腹部には病理組織学的に異常所見は認められなかった. 入院時血液検査所見:特記すべき所見はなかった. 腫瘍マーカーは, CEA 2.4ng/ml, SCC 0.5ng/mlと正常範囲内であった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.82.1_104 |