動静脈奇形との鑑別を要した大腸炎症性ポリープの1例

「症例」 患者:77歳, 男性. 主訴:血便. 既往歴:17歳肺結核, 70歳前立腺癌(ホルモン療法中), 高血圧症. 家族歴:特記事項なし. 生活歴:飲酒焼酎2合/日50年間, 喫煙25本/日40年間. 現病歴:1年前に大量血便と貧血(Hb 6.7g/dl)で当科に入院した. その際に下部消化管内視鏡検査を施行したが, 活動性出血は認めず出血源の同定には至らなかった. 全結腸に憩室が高度, 上行結腸に25mm大の有茎性ポリープを認め, 同ポリープは造影CTで濃染し流入する太い拡張血管を伴うようにみえることから, 憩室出血あるいはポリープ型動静脈奇形からの出血が考えられていた. その後は出血な...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 80; no. 2; pp. 128 - 129
Main Authors 松原, 康朗, 三輪, 純, 田代, 淳, 中込, 良, 村山, 忠雄, 手島, 一陽, 平林, 寧子, 金原, 猛, 中山, 千恵美, 田上, 大祐, 新井, 雅裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 10.06.2012
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.80.2_128

Cover

More Information
Summary:「症例」 患者:77歳, 男性. 主訴:血便. 既往歴:17歳肺結核, 70歳前立腺癌(ホルモン療法中), 高血圧症. 家族歴:特記事項なし. 生活歴:飲酒焼酎2合/日50年間, 喫煙25本/日40年間. 現病歴:1年前に大量血便と貧血(Hb 6.7g/dl)で当科に入院した. その際に下部消化管内視鏡検査を施行したが, 活動性出血は認めず出血源の同定には至らなかった. 全結腸に憩室が高度, 上行結腸に25mm大の有茎性ポリープを認め, 同ポリープは造影CTで濃染し流入する太い拡張血管を伴うようにみえることから, 憩室出血あるいはポリープ型動静脈奇形からの出血が考えられていた. その後は出血なく保存的加療で退院となり経過観察していた. 2011年2月再度数回の鮮血便を認め当科緊急入院となった. 入院時現症:血圧126/66mmHg, 脈拍78/min整, 結膜に貧血黄疸なし. 腹部は平坦, 軟で圧痛なし, 直腸診で少量血便が付着した.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.80.2_128