早期大腸低分化腺癌4例の検討

「はじめに」 大腸低分化腺癌が全大腸に占める割合は2.8~7.0%とされており, 稀な組織型である. さらに進行癌の状態で発見されることがほとんどであるため, 早期大腸低分化腺癌はさらに稀少であり, その報告例も少数にとどまる. 今回我々は4例の早期大腸低分化腺癌を経験し, その臨床病理学的特徴を検討したので報告する. 「症例1」 患者:56歳, 男性. 通常内視鏡観察所見:S状結腸に台状拳上を呈する10mm大の陥凹を伴った丈の低い扁平隆起性病変を認めた. NBI拡大内視鏡観察所見:陥凹部の血管密度が疎であり, 佐野分類IIIBと診断した. クリスタルバイオレット(CV)染色による拡大観察では...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 87; no. 1; pp. 180 - 181
Main Authors 吉水, 祥一, 森重, 健二郎, 千野, 晶子, 為我井, 芳郎, 石川, 寛高, 片岡, 星太, 岸原, 輝仁, 五十嵐, 正広, 大隅, 寛木
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 12.12.2015
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.87.1_180

Cover

More Information
Summary:「はじめに」 大腸低分化腺癌が全大腸に占める割合は2.8~7.0%とされており, 稀な組織型である. さらに進行癌の状態で発見されることがほとんどであるため, 早期大腸低分化腺癌はさらに稀少であり, その報告例も少数にとどまる. 今回我々は4例の早期大腸低分化腺癌を経験し, その臨床病理学的特徴を検討したので報告する. 「症例1」 患者:56歳, 男性. 通常内視鏡観察所見:S状結腸に台状拳上を呈する10mm大の陥凹を伴った丈の低い扁平隆起性病変を認めた. NBI拡大内視鏡観察所見:陥凹部の血管密度が疎であり, 佐野分類IIIBと診断した. クリスタルバイオレット(CV)染色による拡大観察では, VI高度不整を主体とするが, 陥凹部分の広い領域にVN型pitを認めた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.87.1_180