下腸間膜動脈瘤塞栓後に虚血性腸炎を来した1例

「はじめに」下腸間膜動脈瘤は動脈瘤の中でも稀な疾患で, 破裂して突然の腹腔内出血や消化管出血の原因となりうる. 下腸間膜動脈瘤に対し塞栓術を施行したところ, 虚血性腸炎となり治癒した1例を経験したので報告する. 「症例」患者:84歳, 男性. 既往歴:糖尿病, 高血圧, 冠動脈バイパス術後, 直腸低位前方切除後. 現病歴:特に症状はなく, 外来経過観察中であった. 定期検査のCTで, 下腸間膜動脈末梢に約14mm大の仮性動脈瘤を疑う病変を指摘された. 直腸癌の手術の際には, 上直腸動脈とS状結腸動脈を1本切除しており, 下腸間膜動脈の分枝は左結腸動脈と残りのS状結腸動脈1本が温存されていた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 89; no. 1; pp. 140 - 141
Main Authors 釜田, 茂幸, 石川, 文彦, 新田, 宙, 藤田, 昌久, 山田, 千寿, 川辺, 晃一, 宮原, 庸介, 福田, 裕昭, 伊藤, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 16.12.2016
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「はじめに」下腸間膜動脈瘤は動脈瘤の中でも稀な疾患で, 破裂して突然の腹腔内出血や消化管出血の原因となりうる. 下腸間膜動脈瘤に対し塞栓術を施行したところ, 虚血性腸炎となり治癒した1例を経験したので報告する. 「症例」患者:84歳, 男性. 既往歴:糖尿病, 高血圧, 冠動脈バイパス術後, 直腸低位前方切除後. 現病歴:特に症状はなく, 外来経過観察中であった. 定期検査のCTで, 下腸間膜動脈末梢に約14mm大の仮性動脈瘤を疑う病変を指摘された. 直腸癌の手術の際には, 上直腸動脈とS状結腸動脈を1本切除しており, 下腸間膜動脈の分枝は左結腸動脈と残りのS状結腸動脈1本が温存されていた. 少量の腹水も存在し, 切迫破裂の危険性も否定できなかった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.89.1_140