深達度診断に苦慮したびらんを伴うⅠp型早期大腸癌の1例

「はじめに」 近年の内視鏡機器の進歩に伴い, 拡大内視鏡検査の有用性が多くの研究者から報告されている1~3). しかし, pit pattern診断からみた深達度診断にも限界があるのが現状であり, 今回, 深達度に苫慮したびらんを伴うIp型大腸sm1癌の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:75歳, 男性. 主訴:便潜血反応陽性. 既往歴:昭和52年胃潰瘍で幽門側胃切除. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:星医院で便潜血反応陽性を指摘され当センターを2001年12月25日紹介受診. 2002年1月22日の内視鏡検査でS状結腸に大きさ10mmのIp型病変を認めた. 大腸内視鏡検査:通常観察...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 61; no. 2; pp. 120 - 121
Main Authors 大浦, 通久, 入口, 陽介, 小田, 丈二, 篠原, 知明, 中井, 呈子, 山田, 耕三, 岡田, 利邦, 水谷, 勝, 中村, 尚志, 細井, 董三, 山村, 彰彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2002
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.61.2_120

Cover

More Information
Summary:「はじめに」 近年の内視鏡機器の進歩に伴い, 拡大内視鏡検査の有用性が多くの研究者から報告されている1~3). しかし, pit pattern診断からみた深達度診断にも限界があるのが現状であり, 今回, 深達度に苫慮したびらんを伴うIp型大腸sm1癌の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:75歳, 男性. 主訴:便潜血反応陽性. 既往歴:昭和52年胃潰瘍で幽門側胃切除. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:星医院で便潜血反応陽性を指摘され当センターを2001年12月25日紹介受診. 2002年1月22日の内視鏡検査でS状結腸に大きさ10mmのIp型病変を認めた. 大腸内視鏡検査:通常観察では頭部は左右非対称で, 発赤が強く易出血性であった. 茎部はshort stalkで幅広く認められ, 茎部の太さの割には頭部はさほど大きくなかった. 近接すると頭部は凹凸不整で結節状変化を伴い, 表面には崩れてできたような陥凹を認めsm癌を疑った.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.61.2_120