Le Fort II 型骨切り術後に骨延長を施行したApert症候群の長期管理症例
「緒言」Apert症候群は, 1894年にWheatonが最初に記載し, 1906年にフランスの小児科医Apertによって初めて報告され, 症候群として確立した. 頭蓋縫合の早期癒合による尖頭症と手指および足趾の癒合を合併する疾患で尖頭合指症の中の一症候群(acrocephalosyndactyly type I)である. 本症候群は常染色体優性遺伝であり, 父親の平均年齢が高いため, 大多数は突然変異体と考えられている. 発生頻度はCohenらによれば15.5/100万人, 英国では1/16万人(6.2/100万人)との報告があり, 神奈川県の先天異常モニタリング調査では1/15万人(6.7...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 26; no. 1; pp. 37 - 47 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
15.04.2016
日本顎変形症学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0916-7048 1884-5045 |
DOI | 10.5927/jjjd.26.37 |
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Summary: | 「緒言」Apert症候群は, 1894年にWheatonが最初に記載し, 1906年にフランスの小児科医Apertによって初めて報告され, 症候群として確立した. 頭蓋縫合の早期癒合による尖頭症と手指および足趾の癒合を合併する疾患で尖頭合指症の中の一症候群(acrocephalosyndactyly type I)である. 本症候群は常染色体優性遺伝であり, 父親の平均年齢が高いため, 大多数は突然変異体と考えられている. 発生頻度はCohenらによれば15.5/100万人, 英国では1/16万人(6.2/100万人)との報告があり, 神奈川県の先天異常モニタリング調査では1/15万人(6.7/100万人)であった. 主症状としては頭蓋変形(尖頭), 両眼間隔離, 眼球突出, 中顔面の陥凹とそれに伴う下顎前突を認め, 特徴的な顔貌を呈している. 口腔内所見としては高口蓋や口蓋歯肉の肥厚, 上顎歯列弓の狭窄, 上顎骨の形成不全に伴う叢生, 反対咬合などが典型的に見られ, しばしば開咬を伴い, 口蓋裂が存在することもある. |
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ISSN: | 0916-7048 1884-5045 |
DOI: | 10.5927/jjjd.26.37 |