食道アカラシア術後の異時性・多発性食道表在癌の1例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 82; no. 1; pp. 102 - 103
• Main Authors: 小柳, 和夫, 掛札, 敏裕, 相浦, 浩一, 大森, 泰, 森, 一洋, 平岩, 訓彦, 壁島, 康郎, 市東, 昌也, 杉浦, 仁, 田中, 求, 星本, 相淳
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 14.06.2013; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: 食道アカラシア; 食道表在癌
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.82.1_102

「はじめに」 今回我々は食道アカラシア術後17～23年をかけて発症した異時性・多発性食道表在癌に対して, 内視鏡的治療を施行した1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:80歳代, 男性. 主訴:なし. 既往歴:57歳食道アカラシア手術(三富法), 病悩期間19年, シグモイド型, 拡張度III度. 57歳早期胃癌(胃部分切除術). 現病歴:75歳時に第1病変(切歯列31～34cm, 食道左壁, IIc)を認めAPCを施行した. 1年後には第2病変(切歯列21～28cm, 亜全周性, IIa+IIc+IIb)に対して, 化学放射線療法を施行した. 81歳時に第3病変として切歯列30cm左壁にIIc病変を認めESD目的にて入院した. 「治療経過」 第1病変:通常観察で切歯列31～34cmに淡い発赤陥凹を認め, ヨード染色では不染を呈した(Fig.1). NBIにてbrownish areaとして認識され, 拡大観察で拡張, 蛇行等を示す異常血管を認め, 深達度EPの食道表在癌と診断された.