口腔癌再建におけるオトガイ下皮弁の有用性

オトガイ下皮弁は1993年にMartinらによって報告された顔面動静脈の分枝であるオトガイ下動静脈を栄養血管にもつ頸部有茎皮弁である。われわれは,口腔癌N0 症例で,長時間手術・侵襲を避けたい高齢者や基礎疾患を有する患者の比較的小範囲の欠損例に対しては,オトガイ下皮弁が有用な皮弁であると考えている。今回,2017年10月から2018年7月にかけてオトガイ下皮弁の再建を行った7例を報告する。完全生着5例,部分壊死を2例に認めたが,保存的に対処可能であった。術後14から23か月経過しているが,全例とも再発や転移を認めておらず良好に経過しており,適応を選べばオトガイ下皮弁は有用であると考えられた。...

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Bibliographic Details
Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 32; no. 1; pp. 15 - 21
Main Authors 明見, 能成, 藤田, 善教
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 2020
日本口腔腫瘍学会
Subjects
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.32.15

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Summary:オトガイ下皮弁は1993年にMartinらによって報告された顔面動静脈の分枝であるオトガイ下動静脈を栄養血管にもつ頸部有茎皮弁である。われわれは,口腔癌N0 症例で,長時間手術・侵襲を避けたい高齢者や基礎疾患を有する患者の比較的小範囲の欠損例に対しては,オトガイ下皮弁が有用な皮弁であると考えている。今回,2017年10月から2018年7月にかけてオトガイ下皮弁の再建を行った7例を報告する。完全生着5例,部分壊死を2例に認めたが,保存的に対処可能であった。術後14から23か月経過しているが,全例とも再発や転移を認めておらず良好に経過しており,適応を選べばオトガイ下皮弁は有用であると考えられた。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.32.15