貧血を契機に発見された腎細胞癌十二指腸転移の一剖検例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 97; no. 1; pp. 100 - 102
• Main Authors: 新行内, 綾子, 芳賀, 祐規, 渡部, 主樹, 神戸, 美千代, 杉浦, 信之, 齊藤, 正明, 伊藤, 健治, 酒井, 美帆, 宮村, 達雄, 阿部, 朝美, 金田, 暁, 多田, 稔, 西村, 光司
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 18.12.2020; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: 消化管出血; 転移性十二指腸腫瘍
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.97.1_100

「序文」淡明細胞型腎細胞癌(Renal cell carcinoma: RCC)の十二指腸遠隔転移の報告は稀である. 今回, 消化管出血を来し, 剖検にてRCC十二指腸遠隔転移と診断された一例を経験したので報告する. 「症例」患者: 84歳, 男性. 主訴: 倦怠感, 息切れ. 既往歴: 右硬膜下血腫, 労作性狭心症, COPD, 2型糖尿病. 現病歴: 5年前にRCCで右腎摘出術を受け, 腫瘍による腎静脈侵襲が指摘されていた. 4年前に肺転移を認めたが, 高齢の為経過観察となっていた. 倦怠感, 息切れを主訴に当院を受診し, 精査加療目的で入院となった. 入院時現症: 身長158cm, 体重51kg, 体温36.2℃, 血圧102/46mmHg, 脈拍61/分. 眼瞼結膜に貧血あり. 胸腹部に身体所見上の異常を認めなかった.