超高齢者の大腸癌イレウスに対してステント留置術を施行した1例
「はじめに」今回我々は超高齢者の大腸癌イレウスに対してステント留置術を施行した1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」患者:98歳, 女性. 主訴:腹痛, 腹満. 既往歴:脂質異常症, めまい症. 現病歴:数日前より排便・排ガスを認めず, 突然出現した腹痛を主訴に当院救急搬送となった. 来院時現症:体温37.8℃, 血圧149/78mmHg, 脈拍108回/分, 眼瞼結膜貧血あり, 腹部膨満, 腸蠕動音正常, 右下腹部に圧痛あり. 腹部X線所見:立位にて鏡面像を認め, 腸管ガスの貯留, 腸管の拡張を認めた. 腹部CT:横行結腸に腫瘤性病変を認め, その口側腸管の拡張を認...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 89; no. 1; pp. 138 - 139 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
16.12.2016
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.89.1_138 |
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Summary: | 「はじめに」今回我々は超高齢者の大腸癌イレウスに対してステント留置術を施行した1例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する. 「症例」患者:98歳, 女性. 主訴:腹痛, 腹満. 既往歴:脂質異常症, めまい症. 現病歴:数日前より排便・排ガスを認めず, 突然出現した腹痛を主訴に当院救急搬送となった. 来院時現症:体温37.8℃, 血圧149/78mmHg, 脈拍108回/分, 眼瞼結膜貧血あり, 腹部膨満, 腸蠕動音正常, 右下腹部に圧痛あり. 腹部X線所見:立位にて鏡面像を認め, 腸管ガスの貯留, 腸管の拡張を認めた. 腹部CT:横行結腸に腫瘤性病変を認め, その口側腸管の拡張を認めた. それ以外には明らかな所見を認めなかった. 上記より, 横行結腸癌, それに伴う大腸癌イレウスと診断した. 癌の臨床病期はT3N0M0stage II Aであった. 超高齢であり緊急手術はリスクが高いと判断し, 症状緩和を目的に大腸ステントを留置する方針とした. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.89.1_138 |