先端巨大症による下顎前突症に顎矯正手術を行った2例

「緒言」先端巨大症(アクロメガリー)は, 下垂体腺腫による成長終了後の成長ホルモン(growth hormone, 以下GH)過剰分泌を原因とする内分泌疾患で, 支持組織, 筋組織, 内臓諸器官などの異常発育を示す. 古くは末端肥大症とよばれ, 骨端閉鎖以降の成人に発症することにより, 四肢先端等が肥大化する. 発症は, 45-50歳の間に多く見られ, 性差はなく, 有病率は50-70人/100万人である. 顎顔面では, 眉弓部の膨隆, 鼻・口唇肥大などを認め, 顎骨の過成長, 舌肥大とそれに伴う下顎前突または上下顎前突, 空隙歯列がみられる. 側面頭部X線規格写真ではトルコ鞍での二重底(do...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 26; no. 1; pp. 26 - 36
Main Authors 上床喜和子, 須佐美隆史, 井口隆人, 大久保和美, 岡安麻里, 内野夏子, 高橋直子, 松林幸枝, 阿部雅修, 末永英之, 森良之, 高戸毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 15.04.2016
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Summary:「緒言」先端巨大症(アクロメガリー)は, 下垂体腺腫による成長終了後の成長ホルモン(growth hormone, 以下GH)過剰分泌を原因とする内分泌疾患で, 支持組織, 筋組織, 内臓諸器官などの異常発育を示す. 古くは末端肥大症とよばれ, 骨端閉鎖以降の成人に発症することにより, 四肢先端等が肥大化する. 発症は, 45-50歳の間に多く見られ, 性差はなく, 有病率は50-70人/100万人である. 顎顔面では, 眉弓部の膨隆, 鼻・口唇肥大などを認め, 顎骨の過成長, 舌肥大とそれに伴う下顎前突または上下顎前突, 空隙歯列がみられる. 側面頭部X線規格写真ではトルコ鞍での二重底(double floor)や前頭洞の拡大がしばしば認められ, computed tomography(CT), magnetic resonance imaging(MRI)において下垂体腺腫が確認される.
ISSN:0916-7048
DOI:10.5927/jjjd.26.26