内視鏡像から疑われたAAアミロイドーシスの1例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 71; no. 2; pp. 110 - 111
• Main Authors: 藤田, 善幸, 石井, 直樹, 塚本, 昌代, 鈴木, 高祐, 堀木, 紀行, 鈴木, 祥子, 藤谷, 志野, 飯塚, 雄介, 福田, 勝之
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2007; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: AAアミロイドーシス; 内視鏡所見
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.71.2_110

80歳女性. 1ヵ月以上続く水様下痢の精査で当科へ紹介. 下部消化管内視鏡で回腸末端からS状結腸まで広範に地図状の浅い潰瘍やびらんが生じていた. 所見から炎症性腸疾患や悪性病変は考え難く, 各種の培養や抗体検査で感染症も否定的であり, NSAIDs関連腸炎や血管炎, サイトメガロウイルス感染, アミロイドーシスなどの血管性病変を疑った. 生検で主に粘膜下層の血管周囲にAAアミロイドが沈着しており診断に至った. 症例 患者：80歳, 女性. 主訴：水様下痢. 既往歴：高血圧, 副鼻腔炎, 変形性関節症. 現病歴：発熱と水様下痢で当院感染症科に入院. 抗生剤で解熱したが, 1日10行程度（1,000～1,500ml/日）の水様下痢は約1ヵ月の加療でも改善せず当科に転科した. 入院時現症：伸長150cm, 体重42kg, 体温37.7℃, 血圧144/62mmHg, 脈拍66/min, 頭頸部・肺野：異常なし, 腹部：平坦・軟, 腸音正常, 圧痛や反跳痛なし.