角化囊胞性歯原性腫瘍の再発に関する病理組織学的および免疫組織化学的検討
「緒言」角化嚢胞性歯原性腫瘍(keratocystic odontogenic tumor)は, 2005年までは歯原性角化嚢胞(odontogenic keratocyst)の名称で歯原性発育性嚢胞として分類されていた1). 本疾患はこれまでもさまざまな検討がなされ, WHO分類(2005年)2)では浸潤性の性格や再発率の高さ, PTCH遺伝子変異などがみられる症例の存在から上皮が錯角化を示すものを角化嚢胞性歯原性腫瘍として, 正角化を示すものは正角化性歯原性嚢胞(orthokeratinized odontogenic cyst)として取り扱うこととになった. 一方, 古くは基底細胞母斑症...
Saved in:
Published in | 小児口腔外科 Vol. 21; no. 1; pp. 51 - 63 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本小児口腔外科学会
2011
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-5261 1884-6661 |
DOI | 10.11265/poms.21.51 |
Cover
Summary: | 「緒言」角化嚢胞性歯原性腫瘍(keratocystic odontogenic tumor)は, 2005年までは歯原性角化嚢胞(odontogenic keratocyst)の名称で歯原性発育性嚢胞として分類されていた1). 本疾患はこれまでもさまざまな検討がなされ, WHO分類(2005年)2)では浸潤性の性格や再発率の高さ, PTCH遺伝子変異などがみられる症例の存在から上皮が錯角化を示すものを角化嚢胞性歯原性腫瘍として, 正角化を示すものは正角化性歯原性嚢胞(orthokeratinized odontogenic cyst)として取り扱うこととになった. 一方, 古くは基底細胞母斑症候群とされてきた基底細胞癌症候群(nevoid basal cell carcinoma syndrome:NBCCS)は, その主症状として, 皮膚の基底細胞母斑・上皮腫, 多発性顎嚢胞, 大脳鎌の石灰化, 二分肋骨, 手掌のピットなどがあげられるが, 本症候群の60~75%に多発性顎嚢胞が発生し, そのほとんどが本腫瘍であることが知られている3). |
---|---|
ISSN: | 0917-5261 1884-6661 |
DOI: | 10.11265/poms.21.51 |