虚血性大腸炎を契機に発見された腸結核の1例

「はじめに」腸結核は特徴的な臨床所見に欠くことが多く, 診断が遅れることがある. 今回我々は, 虚血性大腸炎を契機に偶発的に診断し得た腸結核の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:42歳, 女性. 主訴:下腹部痛, 血便. 既往歴:30歳代に左卵巣嚢腫(手術). 生活歴:国籍はフィリピン. 28歳時に来日. 現病歴:2015年6月に突然の下腹部痛・血便が出現し, 当院を受診した. 腹部造影CT検査にて下行結腸からS状結腸にかけて腸管壁肥厚を認めたため, 虚血性大腸炎を疑われ入院となった. 入院時現症:身長151.0cm, 体重64.0kg. 体温36.5℃, 心拍数75bpm, 血圧14...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 89; no. 1; pp. 136 - 137
Main Authors 松尾, 海, 小松, 奈々, 西川, 洋平, 横山, 登, 浦上, 尚之, 小城原, 傑, 有馬, 秀英, 井上, 晴洋, 阿曽沼, 邦央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 16.12.2016
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.89.1_136

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Summary:「はじめに」腸結核は特徴的な臨床所見に欠くことが多く, 診断が遅れることがある. 今回我々は, 虚血性大腸炎を契機に偶発的に診断し得た腸結核の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:42歳, 女性. 主訴:下腹部痛, 血便. 既往歴:30歳代に左卵巣嚢腫(手術). 生活歴:国籍はフィリピン. 28歳時に来日. 現病歴:2015年6月に突然の下腹部痛・血便が出現し, 当院を受診した. 腹部造影CT検査にて下行結腸からS状結腸にかけて腸管壁肥厚を認めたため, 虚血性大腸炎を疑われ入院となった. 入院時現症:身長151.0cm, 体重64.0kg. 体温36.5℃, 心拍数75bpm, 血圧146/96mmHg. 腹部平坦・軟. 下腹部に圧痛があるのみで, 明らかな腫瘤や反跳痛などは認めなかった. 血液検査:WBC 14,110/μL, CRP 1.41mg/dLと炎症反応の上昇を認めた. 腹部造影CT検査:脾彎曲部からS状結腸にかけて, 連続性に腸管壁肥厚を認めた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.89.1_136