上行結腸内分泌細胞癌の1例

「はじめに」大腸内分泌細胞癌は原発性大腸癌の0.2~0.3%と稀であるが, 予後は極めて不良とされている. 今回我々は上行結腸に原発した内分泌細胞癌を経験したので報告する. 「症例」患者:67歳, 男性. 主訴:右側腹部の腫瘤白覚. 既往歴, 家族歴:特記すべき事無し. 現病歴:平成13年12月下旬より右側腹部に腫瘤を自覚し, 近医を受診. 便潜血反応が陽性だったため, 平成14年1月5日当院を紹介され, 初診となる. 注腸X線検査で上行結腸に全周性の狭窄を認めたため, 1月11日精査加療目的で入院となった. 入院時現症:腹部は膨隆, 右側腹部に手拳大の弾性硬で可動性に乏しい腫瘤を認めた. 血...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 62; no. 2; pp. 122 - 123
Main Authors 城田, 繁, 内田, 陽介, 鈴木, 不二彦, 石戸, 保典, 卜部, 元道, 安間, 嗣郎, 黒田, 博之, 岩瀬, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2003
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.62.2_122

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Summary:「はじめに」大腸内分泌細胞癌は原発性大腸癌の0.2~0.3%と稀であるが, 予後は極めて不良とされている. 今回我々は上行結腸に原発した内分泌細胞癌を経験したので報告する. 「症例」患者:67歳, 男性. 主訴:右側腹部の腫瘤白覚. 既往歴, 家族歴:特記すべき事無し. 現病歴:平成13年12月下旬より右側腹部に腫瘤を自覚し, 近医を受診. 便潜血反応が陽性だったため, 平成14年1月5日当院を紹介され, 初診となる. 注腸X線検査で上行結腸に全周性の狭窄を認めたため, 1月11日精査加療目的で入院となった. 入院時現症:腹部は膨隆, 右側腹部に手拳大の弾性硬で可動性に乏しい腫瘤を認めた. 血液検査所見では貧血を認めたが, 腫瘍マーカーには異常を認めなかった. 注腸X線検査では上行結腸に腸軸12cmにわたりApple-core-signを認めた(Fig. 1). 腹部CT検査では肝両葉に小結節を多数認め, 上行結腸の腸管壁に全周性の肥厚とリンパ節の腫大を認めた(Fig. 2). イレウス症状が出現した為, 1月18日緊急手術を施行した. 術中所見では腫瘍は漿膜まで達しており, 肝両葉に多発する結節, 第4群リンパ節の腫脹を認め, stage IVであり, 右半結腸切除術を施行した. 摘出標本では, 上行結腸に7cm×5cmの3型腫瘍を認めた(Color 1). HE染色による病理組織所見の弱拡大では, 楕円形から多角形の比較的小型の腫瘍細胞がシート状, 索状, 小塊状に増殖していた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.62.2_122