黒色便を契機に発見された十二指腸GISTの1例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 85; no. 1; pp. 130 - 131
• Main Authors: 三科, 友二, 渡邊, 東, 山城, 雄也, 平井, 紗弥可, 柴田, 昌幸, 片桐, 真矢, 深水, 雅子, 笹本, 貴広, 土屋, 昭彦, 長澤, 邦隆, 山中, 正己, 明石, 雅博, 横田, 亜矢, 近藤, 春彦, 西川, 稿
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 06.12.2014; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: 十二指腸GIST; 消化管出血
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.85.1_130

「はじめに」 消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor : GIST)は消化管・腸間膜などに発生する腫瘍で, 発生頻度は10万人に1～2人と稀であり, そのGISTの中でも十二指腸発生は3～5%程度と非常に稀である. 今回黒色便を契機に診断された十二指腸GISTを経験したので報告する. 「症例」 患者 : 66歳, 女性. 主訴 : 腹痛, 黒色便, 腹部腫瘤. 既往 : 胃潰瘍, 左人工股関節置換術後. 現病歴 : 2013年4月から右腹部腫瘤を自覚. 10月に腹痛と黒色便を自覚したため, 当科を受診. 初診時現症 : 身長154cm, 体重55kg, 体温36.7℃, 血圧144/84mmHg, 脈拍104回/min・整. 腹部所見 : 臍部右側に球形で硬い手拳大の腫瘤を触知. 圧痛なし. 入院時検査所見 : CRP軽度高値以外には異常所見を認めなかった. 上部消化管内視鏡検査(EGD) : 下十二指腸角に活動性漏出性出血を伴う穿通孔様所見を認めた.