IoT技術を利用して包括的在宅心臓リハビリテーションを実施した狭心症の一症例

本邦の外来心臓リハビリテーション(心リハ)の継続率は低いため、運動継続のためにも在宅心リハは重要であるが、臨床応用は進んでいない。今回、Internet of Things(IoT)技術を利用し、包括的在宅心リハの提供が有効であった症例を経験した。患者は40代女性、労作性狭心症の診断で外来心リハを月2回継続していたが、COVID-19感染拡大を契機に中止となったため、在宅での心リハ介入を開始した。理学療法士による患者教育・運動指導、管理栄養士による栄養指導を行い、患者には体調や歩数の自己管理を促した。fitbit®アプリを通じ、週1回の頻度で患者とコミュニケーションをとりながら、体調確認、運動...

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Published in理学療法福岡 Vol. 35; no. 35; pp. 72 - 78
Main Authors 横山, 富美子, 小川, 稜太, 井手, 友美, 根津, 智之, 永富, 祐太, 樋口, 妙, 筒井, 裕之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 福岡県理学療法士会 2022
福岡県理学療法士会
Subjects
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ISSN1342-1433
2758-0652
DOI10.57315/fpta.35.0_72

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Summary:本邦の外来心臓リハビリテーション(心リハ)の継続率は低いため、運動継続のためにも在宅心リハは重要であるが、臨床応用は進んでいない。今回、Internet of Things(IoT)技術を利用し、包括的在宅心リハの提供が有効であった症例を経験した。患者は40代女性、労作性狭心症の診断で外来心リハを月2回継続していたが、COVID-19感染拡大を契機に中止となったため、在宅での心リハ介入を開始した。理学療法士による患者教育・運動指導、管理栄養士による栄養指導を行い、患者には体調や歩数の自己管理を促した。fitbit®アプリを通じ、週1回の頻度で患者とコミュニケーションをとりながら、体調確認、運動量調整、食事摂取量調整を3か月間継続的に指導した。3か月後、握力、膝伸展筋力、歩行速度、6分間歩行等の身体機能の改善に加え、除脂肪体重や骨格筋量の増加、体脂肪の減少を認めた。IoTを利用した継続的かつ包括的な指導は心疾患患者の身体機能を改善する可能性が示唆された。
ISSN:1342-1433
2758-0652
DOI:10.57315/fpta.35.0_72