経橈骨動脈アプローチによるflow diverter留置術の有用性

経橈骨動脈アプローチ(transradial approach:TRA)による血管内治療は,そのメリットから循環器領域においてはスタンダードとなっているが,頭頚部領域においてはいまだに経大腿動脈アプローチ(transfemoral approach:TFA)での治療が一般的である.特に比較的太いカテーテルの誘導が必要なflow diverter(FD)留置術については,TRAで行われることは少ないが,穿刺部合併症の少なさ,術後安静度制限が不要など,メリットが多いため,当院においてFD留置術はTRAを第一選択としている.当院で行ったTRAによるFD留置術について後方視的に検討を行った.当院で20...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 52; no. 5; pp. 354 - 358
Main Authors 瓜生, 康浩, 岡田, 富, 宮原, 宏輔, 野田, 尚志, 関口, 徳朗, 鴨川, 美咲, 鈴木, 幸二, 谷野, 慎, 田中, 悠介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2024
日本脳卒中の外科学会
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Summary:経橈骨動脈アプローチ(transradial approach:TRA)による血管内治療は,そのメリットから循環器領域においてはスタンダードとなっているが,頭頚部領域においてはいまだに経大腿動脈アプローチ(transfemoral approach:TFA)での治療が一般的である.特に比較的太いカテーテルの誘導が必要なflow diverter(FD)留置術については,TRAで行われることは少ないが,穿刺部合併症の少なさ,術後安静度制限が不要など,メリットが多いため,当院においてFD留置術はTRAを第一選択としている.当院で行ったTRAによるFD留置術について後方視的に検討を行った.当院で2022年11月から2023年12月までに行った24例を対象とした.24例中TRAでのFD留置に成功したのは23例であり,成功しなかった1例はガイディングカテーテルが誘導できず,TFAに変更し留置を行った.全例で穿刺部合併症は認めず,その他の周術期合併症も一般的な脳血管内治療と比較し大きな差は認めなかった.周術期には抗血小板薬,抗凝固薬などの併用が必要であることを考慮すれば,積極的なTRAでの治療が検討される.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.52.354