過形成性ポリープが背景の低分化型混在腺癌に内視鏡的切除を施行した1例

「症例」 患者:64歳, 男性. 主訴:吃逆, 逆流症状. 既往歴:高血圧. 家族歴:特記すべき事項なし. 嗜好:喫煙歴あり(30年前に禁煙, 20本/日×10年), 機会飲酒. 現病歴:吃逆・逆流症状の精査のため近医で上部消化管内視鏡を施行され, 多発性過形成性ポリープを認めた. H.pylori陽性であり除菌療法が行われた. その後, 当院にて経過観察されていたが, 前庭部大彎側の過形成性ポリープは, 約3カ月後の観察で頂部にびらんを伴う8×7mm大の山田III型のポリープとなって認められた(Color 1). 同部位の拡大NBI観察でびらんの範囲に一致し, 粘膜の表面構造が消失し, 仲吉...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 82; no. 1; pp. 136 - 137
Main Authors 山田, 康隆, 杉本, 真也, 諸星, 雄一, 伊藤, 剛, 角田, 裕也, 今村, 諭, 田村, 寿英, 長久保, 秀一, 小池, 祐司, 藤田, 由里子, 高橋, 正純, 小松, 弘一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 14.06.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「症例」 患者:64歳, 男性. 主訴:吃逆, 逆流症状. 既往歴:高血圧. 家族歴:特記すべき事項なし. 嗜好:喫煙歴あり(30年前に禁煙, 20本/日×10年), 機会飲酒. 現病歴:吃逆・逆流症状の精査のため近医で上部消化管内視鏡を施行され, 多発性過形成性ポリープを認めた. H.pylori陽性であり除菌療法が行われた. その後, 当院にて経過観察されていたが, 前庭部大彎側の過形成性ポリープは, 約3カ月後の観察で頂部にびらんを伴う8×7mm大の山田III型のポリープとなって認められた(Color 1). 同部位の拡大NBI観察でびらんの範囲に一致し, 粘膜の表面構造が消失し, 仲吉らが提唱したfine network patternの消失した異常血管を認めた(Color 2, 3). 生検病理組織像にて過形成性ポリープの中に中分化型が主体ながらも低分化成分が混在する腺癌(Fig.1, 2)を認めたため治療目的にて入院となった. 入院時現症:特記すべき異常なし.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.82.1_136