Rett症候群が併存した胆道閉鎖症葛西手術後患児に対し生体肝移植術を行った1例
「I. 緒言」 Rett症候群は女児1万人に1人程度に発症する遺伝性神経疾患で, 生後半年を過ぎた頃からそれまでに習得した運動機能や言語機能が徐々に低下し, 手を捻る・絞る, 手を口に入れるといった手の常同運動を行うようになる. これまで海外を含めRett症候群が併存した胆道閉鎖症についての報告はなく, また, Rett症候群が併存した症例に対し肝移植手術を行った報告もない. 今回, Rett症候群が併存した胆道閉鎖症葛西手術後患児に対し生体肝移植術を行った1例を経験したので報告する. 「II. 症例」 症例: 12歳女児 移植前経過: 在胎37週2日, 体重2,602gで出生. 新生児黄疸に...
Saved in:
Published in | 移植 Vol. 57; no. 3; pp. 289 - 294 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2022
日本移植学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「I. 緒言」 Rett症候群は女児1万人に1人程度に発症する遺伝性神経疾患で, 生後半年を過ぎた頃からそれまでに習得した運動機能や言語機能が徐々に低下し, 手を捻る・絞る, 手を口に入れるといった手の常同運動を行うようになる. これまで海外を含めRett症候群が併存した胆道閉鎖症についての報告はなく, また, Rett症候群が併存した症例に対し肝移植手術を行った報告もない. 今回, Rett症候群が併存した胆道閉鎖症葛西手術後患児に対し生体肝移植術を行った1例を経験したので報告する. 「II. 症例」 症例: 12歳女児 移植前経過: 在胎37週2日, 体重2,602gで出生. 新生児黄疸にて出生29日目に胆道閉鎖症の疑いにて前医にて開腹手術を施行した. 開腹所見より胆道閉鎖症(III, b1, ν)と診断し, 葛西手術を施行した. 術後黄疸は改善し, 以後外来経過観察を行っていた. 3歳時より逆行性胆管炎を繰り返し, 11歳時の逆行性胆管炎を契機に黄疸が悪化, 遷延し生体肝移植目的に当科紹介となった. |
---|---|
ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.57.3_289 |