直腸異物肉芽腫の1例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 80; no. 2; pp. 122 - 123
• Main Authors: 渡辺, 昌則, 千原, 直人, 前島, 顕太郎, 松信, 哲朗, 三島, 圭介, 黒田, 誠司, 内田, 英二, 豊田, 哲鎬, 中田, 亮輔, 和田, 由大, 鈴木, 英之, 村木, 輝, 八木, 亜記, 吉野, 雅則, 大山, 莉奈, 三浦, 克洋
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 10.06.2012; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: 異物肉芽腫; 直腸粘膜下腫瘍
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.80.2_122

「はじめに」 今回, 直腸粘膜下腫瘍の形態をとった直腸異物肉芽腫の症例を経験したので報告する. 「症例」 患者:58歳, 男性. 主訴:排便困難および肛門部痛. 既往症:42歳時(16年前)に痔核に対し手術歴があるが, 詳細は不明. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:近医にて直腸腫瘍を指摘され精査加療目的に当院紹介. 来院時現症:直腸診にて肛門管から下部直腸の左壁(3時方向)に表面平滑な腫瘤を触知し, 同部に軽度の圧痛を認めた. その他病理学的所見に特記すべき事項はなかった. 大腸内視鏡検査(Color 1, 2)にて肛門管から下部直腸左壁に長径5cmの粘膜下腫瘍を認め, 注腸造影検査(Fig. 1-a)でも同様の所見を認めた. 骨盤CT, MRI(Fig. 1-b)では炎症は強いが, 周囲への浸潤傾向は比較的少ない直腸腫瘍を指摘された. 超音波内視鏡検査(Fig. 2)では第4層から発生する内部が比較的均一な高エコー領域を認めた.