HLA抗体の補体結合性についての検討

「1. はじめに」臓器移植の際のHLA抗体検査にはドナーとのリンパ球クロスマッチとしてLCT(CDC)-XMとFCXMおよびICFA, またPRA検査としてLABScreenやFlow PRAなどがあるが, これらの検査結果は乖離することもあり判定が困難となる. LCT-XMのみ陽性の場合はIgM抗体・自己抗体の可能性があるが, LCT-XMのみ陰性では感度の違いと考える場合が多い. 一方, FCXMやLABScreenなどで高い蛍光強度を示すにも関わらず, LCT法が陰性となるHLA抗体も少なくない. 筆者らはこのようなHLA抗体について, 補体結合性HLA抗体検出試薬(C1qScreen,...

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Published inMHC(日本組織適合性学会誌) Vol. 21; no. 3; pp. 181 - 186
Main Authors 中島, 一朗, 石田, 悠梨, 安尾, 美年子, 石塚, 敏, 甲斐, 耕太郎, 渕之上, 昌平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本組織適合性学会 2014
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ISSN2186-9995
2187-4239
DOI10.12667/mhc.21.181

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Summary:「1. はじめに」臓器移植の際のHLA抗体検査にはドナーとのリンパ球クロスマッチとしてLCT(CDC)-XMとFCXMおよびICFA, またPRA検査としてLABScreenやFlow PRAなどがあるが, これらの検査結果は乖離することもあり判定が困難となる. LCT-XMのみ陽性の場合はIgM抗体・自己抗体の可能性があるが, LCT-XMのみ陰性では感度の違いと考える場合が多い. 一方, FCXMやLABScreenなどで高い蛍光強度を示すにも関わらず, LCT法が陰性となるHLA抗体も少なくない. 筆者らはこのようなHLA抗体について, 補体結合性HLA抗体検出試薬(C1qScreen, One Lambda)を用いて補体結合性の有無を確認し報告してきた. 今回, 補体結合性の無い抗体に対しては補体結合性を付与する意味でAHG-LCTを用いて抗体の確認を試み, 検査法の違いにより検出されるHLA抗体の補体結合性の違いが移植腎生着に及ぼす影響についても検討した.
ISSN:2186-9995
2187-4239
DOI:10.12667/mhc.21.181