異なる骨質と異なるドリルプロトコールに対する埋入トルクとインプラント安定度指数について

目的: 本研究は, 異なる骨質または異なるインプラント窩でのインプラント埋入トルク(IT値)とインプラント安定度指数(ISQ値)の相関を明確にすることを目的とした. 方法: 種々の骨質を想定した各模擬骨ブロックに, 同一のインプラント窩を形成した場合と同一の模擬骨ブロックに異なるインプラント窩を形成した場合の両実験群で, IT値とISQ値の測定を行った. 結果: 種々の骨質を想定した各模擬骨ブロックに同一のインプラント窩を形成した実験群では, IT値とISQ値の相関係数は0.67となり, 正の相関を示した. また, 35Ncm以下のIT値に限定した場合の相関係数は0.81で正の強い相関を示し,...

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Published in日本口腔インプラント学会誌 Vol. 37; no. 1; pp. 39 - 47
Main Authors 津川順一, 佐藤文明, 角田宗弘, 熱田亙, 安倍稔隆, 北山徹, 笹谷和伸, 田中譲治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔インプラント学会 31.03.2024
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Summary:目的: 本研究は, 異なる骨質または異なるインプラント窩でのインプラント埋入トルク(IT値)とインプラント安定度指数(ISQ値)の相関を明確にすることを目的とした. 方法: 種々の骨質を想定した各模擬骨ブロックに, 同一のインプラント窩を形成した場合と同一の模擬骨ブロックに異なるインプラント窩を形成した場合の両実験群で, IT値とISQ値の測定を行った. 結果: 種々の骨質を想定した各模擬骨ブロックに同一のインプラント窩を形成した実験群では, IT値とISQ値の相関係数は0.67となり, 正の相関を示した. また, 35Ncm以下のIT値に限定した場合の相関係数は0.81で正の強い相関を示し, 45Ncm以上のIT値に限定した場合の相関係数は0.58で正の相関を示した. 同一の模擬骨ブロックに異なるインプラント窩を形成した実験群のなかで, D2~3およびD2群のIT値とISQ値の相関係数はそれぞれ0.67および0.03となり, 前者は正の相関を示し, 後者は相関を示さなかった. また, 35Ncm以下のIT値に限定した場合の相関係数は0.71で正の強い相関を示し, 45Ncm以上のIT値に限定した場合の相関係数は-0.26で負の相関を示した. 結論: 種々の骨質での同一のインプラント窩の場合は高いIT値にすることでより高い初期固定が得られるが, 骨密度が高い骨質で45Ncm以上のIT値となるインプラント窩の場合は, 過度のIT値, つまり過度のアダプテーションテクニックを用いた場合は初期固定が低下することが示唆された.
ISSN:0914-6695
DOI:10.11237/jsoi.37.39