20年間に3回の手術を施行したPeutz-Jeghers症候群の1例

「はじめに」今回我々は, 20年間に腸重積で3回の手術を施行したPeutz-Jeghers症候群の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:35歳, 男性. 主訴:間欠的腹痛と貧血. 家族歴:父方の祖母に胃ポリポーシス. 現病歴:10歳時, 近医で体表の色素沈着を指摘されたが放置. 13歳時, 胃のポリポーシスを指摘され, 16歳時に腸重積の診断で小腸部分切除術を受けPeutz-Jeghers症候群と診断された. 以後しばらく来院せず, 27歳時に再度腸重積を発症し, 小腸部分切除術とポリペクトミーを受けた. その後の経過観察で貧血を認めるようになり, 精査加療目的で入院となった. 入院時現...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 63; no. 2; pp. 118 - 119
Main Authors 池田, 廉, 山田, 正樹, 滝田, 尚仁, 山本, 哲朗, 石引, 佳郎, 細田, 誠弥, 冨木, 裕一, 坂本, 一博, 鎌野, 俊紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2003
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」今回我々は, 20年間に腸重積で3回の手術を施行したPeutz-Jeghers症候群の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:35歳, 男性. 主訴:間欠的腹痛と貧血. 家族歴:父方の祖母に胃ポリポーシス. 現病歴:10歳時, 近医で体表の色素沈着を指摘されたが放置. 13歳時, 胃のポリポーシスを指摘され, 16歳時に腸重積の診断で小腸部分切除術を受けPeutz-Jeghers症候群と診断された. 以後しばらく来院せず, 27歳時に再度腸重積を発症し, 小腸部分切除術とポリペクトミーを受けた. その後の経過観察で貧血を認めるようになり, 精査加療目的で入院となった. 入院時現症:眼瞼結膜に貧血を認め, 口唇と手指足底に色素沈着を認めた(Color 1-a, b). 腹部は平坦・軟で腫瘤は触知されず, 圧痛を認めなかった. 上部内視鏡検査所見:8年前の手術時と比較して, 胃ポリープのサイズに大きな変化はみられなかった. 下部内視鏡検査所見:大腸全域に数個のポリープを認め, ポリペクトミーを施行した. 小腸造影検査所見:Treiz靱帯付近に長径6cm大の多結節状のポリープ(Fig. 1)と, 散在性にいくつかの小ポリープを認めた. 腹部CT検査所見:腸管が同心円状に描出され, 中心部には腫瘤を認め, 小腸腫瘍を先進部とする腸重積症と診断した(Fig. 2).
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.63.2_118