multi-line chemotherapyが奏効した切除不能進行胃癌の1例

「はじめに」 切除不能進行胃癌に対する標準化学療法として, 現時点ではS-1+CDDP療法が推奨されているが, 二次治療の明確なエビデンスはいまだ確立されていない. 今回我々は, 傍大動脈リンパ節転移を有する胃癌Stage IV症例に対して, first-lineにS-1+DOC, second-lineにCPT-11+CDDP, third-lineにCPT-11単独を用いて初診時から5年以上経過し, 長期生存している症例を経験したので報告する. 「症例」 患者:64歳, 女性. 主訴:心窩部不快感. 既往歴:子宮筋腫術後. 現病歴:2007年5月より心窩部痛を認め改善しないため, 2008...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 83; no. 1; pp. 104 - 105
Main Authors 和気, 泰次郎, 山本, 健一郎, 田中, 啓, 倉田, 仁, 檀, 直彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 14.12.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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Summary:「はじめに」 切除不能進行胃癌に対する標準化学療法として, 現時点ではS-1+CDDP療法が推奨されているが, 二次治療の明確なエビデンスはいまだ確立されていない. 今回我々は, 傍大動脈リンパ節転移を有する胃癌Stage IV症例に対して, first-lineにS-1+DOC, second-lineにCPT-11+CDDP, third-lineにCPT-11単独を用いて初診時から5年以上経過し, 長期生存している症例を経験したので報告する. 「症例」 患者:64歳, 女性. 主訴:心窩部不快感. 既往歴:子宮筋腫術後. 現病歴:2007年5月より心窩部痛を認め改善しないため, 2008年2月当院紹介受診した. 上部消化管内視鏡にて胃癌と診断され入院となった. 初診時血液検査:Hb 10.6g/dlと貧血, CEA 4,920ng/mlと高値を認めた. 上部消化管内視鏡検査:胃角部から前庭部前壁を中心とした3型病変を認めた(Color 1). 生検では印環細胞癌であった(Fig.1).
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.83.1_104