嗅覚障害にともなう風味障害の研究

嗅覚脱出及び嗅覚減退者853症例で風味障害を訴えるか否かの要因について検討を行った. 593症例を用いて数量化分析のための要因決定を行った. その結果, 検知平均嗅力損失値, 認知平均嗅力損失値, 罹病期間, 発症時の状態が風味障害を訴えるか否かの要因として関与することが判明した. さらに一般的要因として年齢, 性別の2要因を加え, 6要因を数量化分析の要因として用いた. 各要因内でのカテゴリーについては年齢が60歳以上, 発症の状態は突然に発症, 検知平均嗅力損失値2.0~2.9, 認知平均嗅力損失値5.0~5.7と5.8以上が風味障害を訴える方向に大きく関与していることが判明した....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 91; no. 3; pp. 391 - 397,457
Main Author 藤居, 荘二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.03.1988
日本耳鼻咽喉科学会
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Summary:嗅覚脱出及び嗅覚減退者853症例で風味障害を訴えるか否かの要因について検討を行った. 593症例を用いて数量化分析のための要因決定を行った. その結果, 検知平均嗅力損失値, 認知平均嗅力損失値, 罹病期間, 発症時の状態が風味障害を訴えるか否かの要因として関与することが判明した. さらに一般的要因として年齢, 性別の2要因を加え, 6要因を数量化分析の要因として用いた. 各要因内でのカテゴリーについては年齢が60歳以上, 発症の状態は突然に発症, 検知平均嗅力損失値2.0~2.9, 認知平均嗅力損失値5.0~5.7と5.8以上が風味障害を訴える方向に大きく関与していることが判明した.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.91.391