正常者の視運動性後眼振 (OKAN) におよぼす頭位の影響
視運動性後眼振におよぼす頭位の影響を調べる目的で, 正常者29人を対象として, 坐位と側臥位において, 左右方向の視運動性後眼振を調べた. 方法: Jung型刺激装置を用いて, 80°/sの等速度刺激を120秒間与え, 視運動性後眼振の水平および垂直成分をENGで60秒間記録した. 結果: 坐位では全例に視運動性後眼振が出現した. 重力に直角な方向のOKANの出現率は, 重力方向や抗重力方向のそれより高かった. また出現した場合, 緩徐相速度も高かった. 視運動性後眼振には頭位が関係することがわかった. 側臥位でみられた垂直成分の方向からは, 水平成分から垂直成分へのcross-couplin...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 2; pp. 271 - 281,369 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.02.1993
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.96.271 |
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Summary: | 視運動性後眼振におよぼす頭位の影響を調べる目的で, 正常者29人を対象として, 坐位と側臥位において, 左右方向の視運動性後眼振を調べた. 方法: Jung型刺激装置を用いて, 80°/sの等速度刺激を120秒間与え, 視運動性後眼振の水平および垂直成分をENGで60秒間記録した. 結果: 坐位では全例に視運動性後眼振が出現した. 重力に直角な方向のOKANの出現率は, 重力方向や抗重力方向のそれより高かった. また出現した場合, 緩徐相速度も高かった. 視運動性後眼振には頭位が関係することがわかった. 側臥位でみられた垂直成分の方向からは, 水平成分から垂直成分へのcross-couplingは必ずしも証明できなかった. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.96.271 |