内視鏡下涙嚢鼻腔吻合術 —粘膜弁に工夫したWormald変法

近年, 内視鏡下の鼻内涙嚢鼻腔吻合術が行われるようになったが, 術者により手技が異なっている. われわれの手術の工夫について報告する. 鼻堤を基部としたaxillary flapを下方に延長した粘膜弁を作成し, 上顎骨前頭突起と涙骨を削開し, 涙嚢を露出させる. 涙嚢を工の字形になるように, 縦切開と上下に横切開を加え, 前後に翻転する. 開窓部の大きさに合わせて, 粘膜弁をトリミングし, 骨面を被覆し, シリコンシートによるステントを留置する. われわれの方法では, 全周性に露出した骨面をすべて被うことができ, 十分な開窓を保つことが可能である. また眼窩側, 涙点側からの操作は不要であり,...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 114; no. 10; pp. 820 - 823
Main Authors 児玉, 悟, 平野, 隆, 鈴木, 正志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 2011
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.114.820

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Summary:近年, 内視鏡下の鼻内涙嚢鼻腔吻合術が行われるようになったが, 術者により手技が異なっている. われわれの手術の工夫について報告する. 鼻堤を基部としたaxillary flapを下方に延長した粘膜弁を作成し, 上顎骨前頭突起と涙骨を削開し, 涙嚢を露出させる. 涙嚢を工の字形になるように, 縦切開と上下に横切開を加え, 前後に翻転する. 開窓部の大きさに合わせて, 粘膜弁をトリミングし, 骨面を被覆し, シリコンシートによるステントを留置する. われわれの方法では, 全周性に露出した骨面をすべて被うことができ, 十分な開窓を保つことが可能である. また眼窩側, 涙点側からの操作は不要であり, 耳鼻咽喉科単独で施行可能である.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.114.820