頭頸部腫瘍における血管新生についての研究

固形腫瘍の増殖には血管新生が必要である. 今回, 第VIII因子関連抗原による免疫組織染色を用いてmicrovessel数を算出し, 頭頸部悪性腫瘍における血管新生について検討した. 血管数と原発部位, 組織分化度, T分類とは一定の傾向は認められなかった. 血管数が多くなる程, 頸部リンパ節転移率は高くなり, N分類, 病期が進むにつれ, 血管数が増殖した. induction chemotherapy奏効度別にみると, CR症例で最も血管数が多く, 再発のない症例の方が再発した症例より血管数は明らかに多かった. 以上の結果より, 原発腫瘍部位の血管数は, 腫瘍の転移と関連することが示唆され...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 4; pp. 645 - 650,735
Main Authors 小勝, 敏幸, 矢後, 忠之, 三上, 康和, 澤木, 修二, 持松, いづみ, 佃, 守, 伊藤, 隆明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.04.1993
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.96.645

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Summary:固形腫瘍の増殖には血管新生が必要である. 今回, 第VIII因子関連抗原による免疫組織染色を用いてmicrovessel数を算出し, 頭頸部悪性腫瘍における血管新生について検討した. 血管数と原発部位, 組織分化度, T分類とは一定の傾向は認められなかった. 血管数が多くなる程, 頸部リンパ節転移率は高くなり, N分類, 病期が進むにつれ, 血管数が増殖した. induction chemotherapy奏効度別にみると, CR症例で最も血管数が多く, 再発のない症例の方が再発した症例より血管数は明らかに多かった. 以上の結果より, 原発腫瘍部位の血管数は, 腫瘍の転移と関連することが示唆された.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.645