WHO頭頸部腫瘍分類第5版における口腔上皮性腫瘍分類の改訂点
WHO頭頸部腫瘍分類(以下,WHO分類)第5版は2022年にonlineで公開された。WHO分類第5版では口腔潜在的悪性疾患(以下,OPMDs)の疾患リストが変更され,新しく掲載されたHPV関連口腔上皮性異形成は,従来の口腔上皮性異形成(以下,OED)とは別の疾患として分類されている。WHO分類第5版ではOEDの組織学的分類は3分類法が維持されているが,2分類法についても言及されている。また,OEDにみられる構造学的および細胞学的特徴について,細胞の増殖能,分化等の観点を考慮した組織学的特徴が追加されている。扁平上皮癌は,WHO分類第4版では「口腔ならびに舌可動域における腫瘍」の章の冒頭に記載...
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Published in | 日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 37; no. 2; pp. 31 - 39 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
2025
日本口腔腫瘍学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0915-5988 1884-4995 |
DOI | 10.5843/jsot.37.31 |
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Summary: | WHO頭頸部腫瘍分類(以下,WHO分類)第5版は2022年にonlineで公開された。WHO分類第5版では口腔潜在的悪性疾患(以下,OPMDs)の疾患リストが変更され,新しく掲載されたHPV関連口腔上皮性異形成は,従来の口腔上皮性異形成(以下,OED)とは別の疾患として分類されている。WHO分類第5版ではOEDの組織学的分類は3分類法が維持されているが,2分類法についても言及されている。また,OEDにみられる構造学的および細胞学的特徴について,細胞の増殖能,分化等の観点を考慮した組織学的特徴が追加されている。扁平上皮癌は,WHO分類第4版では「口腔ならびに舌可動域における腫瘍」の章の冒頭に記載されていたが,WHO分類第5版では章末に記載されている。扁平上皮癌の亜型として扱われてきた疣状癌と孔道癌はその特徴的な臨床像,病理組織像および病態に基づいて,独立した項目として記載された。本報告では,WHO分類第5版における口腔上皮性腫瘍分類の変更点を概説する。 |
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ISSN: | 0915-5988 1884-4995 |
DOI: | 10.5843/jsot.37.31 |