蝸電図における年齢差について
聴力正常なボランティアを対象に蝸電図検査を行い, 私たちの施設におけるAP, adapted AP, CMの標準検査値を求めることを目的とした. 今回の検討の結果, 1kHzにおける聴力閾値とCMの検出閾値が最も高い相関関係を示した. また, この聴力正常者を30歳未満 (平均年齢19.7歳) と30歳以上 (平均年齢41.1歳) の2群に分け, AP, adapted AP, CMの加齢変化について比較検討したところ, 2および4kHzの高音圧におけるCM反応電位のみに2群間に有意差が認められた. これは蓋膜, 基底板, 有毛細胞の加齢変化が複雑に影響した結果であると推察した....
Saved in:
Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 99; no. 6; pp. 944 - 953,971 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.06.1996
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.99.944 |
Cover
Summary: | 聴力正常なボランティアを対象に蝸電図検査を行い, 私たちの施設におけるAP, adapted AP, CMの標準検査値を求めることを目的とした. 今回の検討の結果, 1kHzにおける聴力閾値とCMの検出閾値が最も高い相関関係を示した. また, この聴力正常者を30歳未満 (平均年齢19.7歳) と30歳以上 (平均年齢41.1歳) の2群に分け, AP, adapted AP, CMの加齢変化について比較検討したところ, 2および4kHzの高音圧におけるCM反応電位のみに2群間に有意差が認められた. これは蓋膜, 基底板, 有毛細胞の加齢変化が複雑に影響した結果であると推察した. |
---|---|
ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.99.944 |