好酸球性腸炎の1例

「はじめに」好酸球性胃腸炎は, 末梢好酸球増多と, 胃腸管壁への好酸球浸潤を特徴とする疾患で, 消化管のすべての部位に発生する可能性が示されている. 今回我々は血便で経過観察中, 末梢血好酸球数の高値で好酸球性腸炎を疑い, 消化管内視鏡検査による生検にて確定診断した1例を経験したので報告する. 「症例」患者:47歳, 女性. 主訴:下痢, 血便. 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:2008年7月中旬より頻回の下痢が出現し, 近医を受診して投薬をうけるも改善しなかった. 7月27日から血便を認めるようになったため炎症性腸疾患なども考慮し当院へ大腸内視鏡検査依頼があった. 来院時検査所見(Ta...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 77; no. 2; pp. 124 - 125
Main Authors 小野寺, 大吾, 宗像, 博美, 松本, 都, 中野, 真, 酒井, 利幸, 田島, 一美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2010
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.77.2_124

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Summary:「はじめに」好酸球性胃腸炎は, 末梢好酸球増多と, 胃腸管壁への好酸球浸潤を特徴とする疾患で, 消化管のすべての部位に発生する可能性が示されている. 今回我々は血便で経過観察中, 末梢血好酸球数の高値で好酸球性腸炎を疑い, 消化管内視鏡検査による生検にて確定診断した1例を経験したので報告する. 「症例」患者:47歳, 女性. 主訴:下痢, 血便. 既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:2008年7月中旬より頻回の下痢が出現し, 近医を受診して投薬をうけるも改善しなかった. 7月27日から血便を認めるようになったため炎症性腸疾患なども考慮し当院へ大腸内視鏡検査依頼があった. 来院時検査所見(Table1):WBC6600/μl, Hb13.2g/dl, CRP0.04mg/dlと炎症所見は認めなかった. 下部消化管内視鏡検査(Color1):直腸Raに限局してびらん, 膿瘍粘液の付着を認めたがその他の部位には異常を認めなかった. 病理組織学所見(Fig.1):びらん部の生検からはリンパ球や好酸球の浸潤がびまん性に強くみられ軽い好中球浸潤を伴っていた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.77.2_124