耳鼻咽喉科疾患に対するCNV (随伴陰性変動) を用いた心理学的研究

健常成人, 耳鳴患者, 咽喉頭異常感症患者, メニエール病患者に対してCNVの測定を行った. 各患者にはうつスコアとCMIの検査も行った. CNVの各成分ごとの平均振幅を比較したところ, 健常成人群と比べて耳鳴群では初期成分と中期成分で, 咽喉頭異常感症群では中期成分で, メニエール病群では中期成分と後期成分で振幅が有意に増大した. このことから, 耳鳴患者では音に対して過敏な状態にあり, メニエール病患者では命令刺激に対する準備, 期待が強くなっていると考えた. うつスコアとCNV振幅との間に相関がみられ, これらの疾患の患者に対してCNVの測定を行うことによって, 心理的な関与の大きさを推...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 3; pp. 435 - 443,547
Main Author 杉本, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.03.1993
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.96.435

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Summary:健常成人, 耳鳴患者, 咽喉頭異常感症患者, メニエール病患者に対してCNVの測定を行った. 各患者にはうつスコアとCMIの検査も行った. CNVの各成分ごとの平均振幅を比較したところ, 健常成人群と比べて耳鳴群では初期成分と中期成分で, 咽喉頭異常感症群では中期成分で, メニエール病群では中期成分と後期成分で振幅が有意に増大した. このことから, 耳鳴患者では音に対して過敏な状態にあり, メニエール病患者では命令刺激に対する準備, 期待が強くなっていると考えた. うつスコアとCNV振幅との間に相関がみられ, これらの疾患の患者に対してCNVの測定を行うことによって, 心理的な関与の大きさを推定できる可能性があると考えた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.435