喉頭癌に対する光線力学的療法の臨床的検討

Photodynamic Therapy (以下PDT) は癌の選択的治療法として注目されている. 我々はHpDにアルゴン・ダイ・レーザーとエキシマ・ダイ・レーザーを用いたPDTを咽頭癌に対し臨床応用している. そこで, 12例の臨床経過を示すとともに, その有用性と安全性ならびに遠隔成績に言及し, 特に治療手技に改良を加えファイバー下に容易に行えるPDT治療について報告した. PDTによるCR率83.3%, PDT単独での効果持続期間は, 最長65ヵ月であり, 一次治療例では全例喉頭保存が可能であった. また, PDTの副作用はいずれの症例にも認められず, 重篤な合併症のあるものや, 高齢者...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 98; no. 5; pp. 795 - 804,927
Main Authors 吉田, 知之, 佐伯, 哲郎, 大橋, 伸也, 奥平, 唯雄, 李, 雅次, 吉田, ひかり, 丸岡, 秀裕, 伊藤, 博之, 舩坂, 宗太郎, 加藤, 治文
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.05.1995
日本耳鼻咽喉科学会
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Summary:Photodynamic Therapy (以下PDT) は癌の選択的治療法として注目されている. 我々はHpDにアルゴン・ダイ・レーザーとエキシマ・ダイ・レーザーを用いたPDTを咽頭癌に対し臨床応用している. そこで, 12例の臨床経過を示すとともに, その有用性と安全性ならびに遠隔成績に言及し, 特に治療手技に改良を加えファイバー下に容易に行えるPDT治療について報告した. PDTによるCR率83.3%, PDT単独での効果持続期間は, 最長65ヵ月であり, 一次治療例では全例喉頭保存が可能であった. また, PDTの副作用はいずれの症例にも認められず, 重篤な合併症のあるものや, 高齢者などにも安全に治療ができ, 早期喉頭癌の有力な治療法と成り得るものと考えた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.98.795