PIVを用いた漏水中の管路流れの可視化および計測

近年,農業用菅水路の漏水検知法として,管内部にロボットを投入し,漏水部から発する音や漏水による管内の圧力変化を検出する方法が開発され, 漏水検知の精度向上が図られている。しかしながら,これらの方法は管径や管内圧力の大小によって適用の限界があり,また,漏水中の管路流れの本質を解明し,その特性を考慮した上で開発されていないのが現状である.そこで,新たな漏水検知法の開発を目指し,粒子画像流速測定法(PIV)を用いて,漏水中の管路において特に漏水の影響が大きいと考えられる漏水部下流側の流れを可視化し,計測を行った.計測には透明なアクリル管を用いて,漏水量を一定にしながら異なる流量で実験を行い,漏水部下...

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Published in可視化情報学会論文集 Vol. 38; no. 9; pp. 36 - 44
Main Authors 浅田, 洋平, 木村, 匡臣, 安瀬地, 一作, 飯田, 俊彰, 久保, 成隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 可視化情報学会 2018
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Summary:近年,農業用菅水路の漏水検知法として,管内部にロボットを投入し,漏水部から発する音や漏水による管内の圧力変化を検出する方法が開発され, 漏水検知の精度向上が図られている。しかしながら,これらの方法は管径や管内圧力の大小によって適用の限界があり,また,漏水中の管路流れの本質を解明し,その特性を考慮した上で開発されていないのが現状である.そこで,新たな漏水検知法の開発を目指し,粒子画像流速測定法(PIV)を用いて,漏水中の管路において特に漏水の影響が大きいと考えられる漏水部下流側の流れを可視化し,計測を行った.計測には透明なアクリル管を用いて,漏水量を一定にしながら異なる流量で実験を行い,漏水部下流側の流れ特性を調査した.その結果,管路内のレイノルズ数が小さい,すなわち漏水比が大きいほど漏水部直下部では流速分布の偏りは大きくなるが,漏水部から1m離れた地点では流速分布の偏りが漏水がない場合の元の状態へとより近づくという知見が得られた.
ISSN:1346-5260
DOI:10.3154/tvsj.38.36